歯周病治療
歯周病の原因は、歯に付着したプラーク(歯垢)に含まれるバクテリア(歯周病菌)が歯周組織を次々に破壊し骨まで溶かしてしまう病気です。
歯周病は、症状が進むまで痛みもほとんど発生しないため、気がついたら既に手遅れとなっており、歯を失ってしまうというケースもあります。
そのため、定期健診での早期発見と早期治療そして予防がとても大切といえます。
歯垢が溜まりプラークが形成 |
動揺度がひどくなる |
歯槽骨が吸収され歯が抜ける |
歯周病は以下のように進んでいきます。
歯に付着するプラークは食べ物の成分である糖分やデンプンと混ざり酸を作り出し、歯ぐきの腫れや痛みを引き起こします。
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次第に歯から歯ぐきが剥がれていき、歯と歯ぐきの間には歯周ポケット(隙間)ができます。
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この歯周ポケットにプラークが蓄積し、次なるダメージを歯周組織や歯槽骨に与え最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
一般的に、歯の表面に付着するプラークは歯磨きにより取り除くことができますが、ご自宅での歯磨きの場合どうしても磨き残しができてしまい、それが歯周ポケット発生の原因となります。
歯周病の治療法は?
歯周病は、毎日のご自宅での適切なブラッシングケアと、医院でのPMTCを中心とする予防が基本となりますが、それでも歯周病になってしまったときは「スケーリング・ルートプレーニング(SRP)」などの治療を行うことで症状の改善を図っていきます。
しかし中度~重度の歯周病となり、歯周ポケットが改善せずにプラークコントロールが十分にできない場合は「外科的治療法」により歯石を除去します。
歯周病治療のながれ
炎症度合いの低い「歯肉炎」等の方の治療
◆いろいろな検査
骨破壊の状態、ポケットの深さの測定、炎症の有無、プラークコントロールが出来ているかの検査です。
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◆ブラッシング指導(TBI)
歯が磨けるようになるまで徹底的に指導します。
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◆スケーリング(歯石除去)
歯石の付着度合いによりますが1~6回に分けて行います。
軽度の「歯周病」から重度までの治療
◆歯周ポケットと出血の有無の検査
1~3の治療による結果を判定するとともに、歯周ポケットと出血の有無の検査も行います。
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◆スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
歯周病治療の最も基本的なものが『SRP:スケーリング・ルートプレーニング』と言い、歯周ポケット内部に入り込んだ強い毒素を持つバイオフィム(歯垢・歯石)を取り除く治療法です。
歯周ポケットが深いところには 歯肉の下に毒素の詰まった歯石がついていますので、歯石や細菌を専用の機械で徹底的に除去し根面の汚染物質を取り除いていきます。
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◆歯周外科治療(必要な場合)
外科治療が必要な場合には治療を行います。
★ フラップ手術
歯周ポケットが深くまで進行している場合は、歯周ポケットを切除後に歯肉を歯槽骨から剥がし、歯と歯肉の間に溜まっている歯石や細菌を除去してから歯肉を縫合する治療を行います。
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★ 組織再生誘導(GTR)法
組織再生誘導法(右イメージ図)は、フラップ手術後に顎骨が薄くなった部分にGTR膜を設置することにより、歯周組織の再生を期待する治療法です。
★ エムドゲイン法
ゲル状の製剤(エムドゲイン)を用いる治療法で、薬剤の成分が歯周組織の再生を誘導するとともに、上皮細胞の増殖・侵入を抑制する効果があると考えられています。
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◆PMTC(予防歯科のページを参照ください)
バイオフィルムの破壊に効果があります。
患者様の状態によって異なりますが、1~3ヶ月に一度行うのが有効的です。
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◆再検査